各地で猛威を振るっている新型コロナウィルス。
子どもたちは休日になり家にずっといます。もうしばらくの辛抱だと自分に言い聞かせ、家でできる事を子どもたちと遊んでいます。
転勤で離島へ引っ越した我が家は、引っ越しの整理もできず、不安になってきました。
皆さんも前が見えない現状にもやもやした気持ちになっているのではないでしょうか。
今回は、不安な気持ちがあるときにおすすめのだいじょうぶだいじょうぶ 作絵いとうひろしをご紹介したいと思います。
不安な気持ちがあるときにおすすめの絵本だいじょうぶだいじょうぶ 作絵いとうひろしの内容
ぼくがいまよりずっと赤ちゃんにちかく、おじいちゃんがいまよりずっと元気だったころ、
ぼくとおじいちゃんは、まいにちのように、おさんぽを楽しんでいました。
ぼくたちのおさんぽは、家の近くをのんびりとあるくだけのものでしたが、遠くの海や山を冒険するような楽しさにあふれていました。
草も木も、石も空も、虫も獣も、人も車も。時には卵を運ぶアリや鼻のあたまをけがしたねこにさえ、ふるくからの友達の様におじいちゃんは声をかけていました。
そんなおじいちゃんと手をつないでとことこ歩いていると、ぼくのまわりは、魔法にでもかかったみたいにどんどんひろがっていくのでした。
でも新しい発見や楽しい出会いがふえればふえるだけ、こまったことやこわいことにも、出会うようになりました。
むかいのけんちゃんは、わけもなく僕をぶつし、おすましのくみちゃんは、ぼくに会うたびに顔をしかめます。
犬はうなって歯をむきだすし、自動車はタイヤをきしませてはしっていきます。
飛行機は空から落ちることがあるのもしったし、あちらにもこちらにも、おそろしいばいきんがうようよしてるってこともしりました。
という調子で、僕のまわりにおきる出来事が話され、不安な子どもの気持ちが表現されています。
おじいちゃんは僕の手をにぎり、おまじないのようにつぶやくのでした。「だいじょうぶ だいじょうぶ。」
それはむりしてみんなと仲良くしなくてもいいんだってことでした。
それは、わざとぶつかってくるような車も飛行機も、めったにいないってことでした。
「だいじょうぶ だいじょうぶ。」
それは、たいていの病気やけがは、いつか治るもんだってことでした。
と、僕の不安を解決するような言葉かけをおじいちゃんがします。
ぼくは、ずいぶん大きくなりました。おじいちゃんは、ずいぶんとしをとりました。
だから今度は僕のばんです。おじいちゃんの手をにぎり、何度でも何度でもくりかえします。
「だいじょうぶ だいじょうぶ。」だいじょうぶだよ、おじいちゃん。と終わります。
絵には、僕が小さな花束をお店で買い、病室にいるおじいちゃんを見舞う様子が描かれています。最後の絵には花瓶に飾られた花だけ描かれています。
不安な気持ちがあるときにおすすめの絵本だいじょうぶだいじょうぶ 作絵いとうひろしの感想
こどもの初めての体験や出来事は、その先が見通せないのでとても不安だそうです。
大人は何度か失敗や困難を乗り越えてきているので、子どもの小さな出来事を軽くみてしまうことがあります。
この絵本には、何気ない日常が描かれているのですが、その一つ一つが、初めての出来事だと驚くことだろうなと思いました。
その時その時、立ち止まって子どもに説明したり声かけしたりすることの必要性を感じられる絵本です。
私は、小さいときに父と散歩に出かけたことを思い出しました。
初めは、夕方になると外出する父が心配で、どこに行ってしまうんだろうか?と思っていました。
そして、ある日、「私も行きたい」と父に話すとすんなりと了解してくれたのです。
家の周辺を20分くらい歩き、あの家には吠える犬がいる、キッチンに面している道を通ると夕飯の匂いがするなど、通ってみないと分からない事を知りました。
そういった一つ一つの体験が知恵になり育っていくのだと思います。
外出できない今だからこそできる、1日1日を大事に丁寧に生活していこうと思います。
今日はどんな絵本をよみますか。